養育費はいらないと言ったが、請求できる?
Q.3年前に元夫と離婚し、子供二人を一人で育てています。離婚する際は、元夫と一日も早く離婚したくて養育費はいらないので離婚してほしいと言って応じてもらいました。しかし、その後、収入が減り、生活が行き詰ってしまいました。今から元夫に養育費を請求することはできないでしょうか。
A.子の養育を受ける権利を放棄することはできない!
養育費はいらない、という発言の意味をどうとらえるかによりますが、お子さんの父に対する扶養の権利を子に代わって放棄したという意味なら、そもそもそのような権利放棄は無効です。扶養を受ける権利は法律上処分することができないとされているからです(民法881条)。
これに対し、単に、子供らの扶養の責任は、自分が一人で負担するという子の監護に関する方法の意思表明に過ぎないのであれば、離婚時と経済事情が変わって子の養育に支障が生じていますので、今からでも子の監護に関する協議を申し入れることが可能です。
元夫が話し合いに応じないなら、家庭裁判所に子の監護に関する調停を申し立てて調停委員を間に入れて話し合うこともできます。元夫がそれでも応じない場合は、家庭裁判所が双方の収入と子の人数・年齢に応じて養育費の額を決定し、元夫に支払を命じてくれます。
審判が確定すれば、元夫の給与やその他の財産を差し押さえることも可能です。
ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
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