実際の解決事例

多数の相続人がいる相続事件で換価分割、代償分割で分割協議を成立させた事案

●相談内容●

相談者が日常生活の面倒を看て、財産の管理もしていた高齢の伯母が亡くなり相続が発生、事実上、相談者が中心となって相続手続を進めなければならなくなった事案。
伯母は未婚で子もなく、相続人は叔母の兄弟姉妹であったが、既に亡くなっている方もいて、代襲相続人が多数、その数が20名近くになった。遺言はない。
被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍の取得、相続関係図の作成、相続人の住所地の調査などに数十万円の費用がかかり、ようやく弁護士に相談することになった。
遺産は、不動産と預貯金、債券などで、相談者の意向は、自分ひとりではとても対応できないので、法定相続分で構わないので遺産分割協議を進めてほしいと言うのが依頼の趣旨。

●解決事例●

相続人と連絡がとれなければ分割協議は進められません。また、行方不明者がいると不在者の財産管理人を選任するなど手間がかかります。
調停に出頭しない相続人がいれば調停は不成立となり、審判になると相続財産は競売により換価され分配される可能性が高くなり、不動産は時価で売却するより安くなってしまいます。
受任後、相続人に連絡をとったところ、幸い全員と連絡がつき、法定相続分による遺産分割の方針についても特段異議を申し出る方はいませんでした。
とはいえ、20名近くもいる相続人全員との間で遺産分割協議書を作成し、しかも不動産を売却するのは一苦労です。
そこで、遺産分割協議書は、各相続人から個別に同意書を取り付けることとして簡略化しました。
また、遺産の売却は相談者が代表として行うこととし、特に不動産の売却については、換価を目的に相談者が単独相続する形をとり、時価で売却した後他の相続人に分配をすることとしました。
結果、不動産の売却、預貯金の解約、債券の売却などもスムーズに進み、予想以上に早く処理が終わり、懸念されていた不動産も時価で売却できました。

●ポイント●

相続人が数十人に及ぶ事案が稀にあります。 特に不動産の名義が何代も前のものがあると手続は困難を極め、専門家の手を借りなければスムーズに手続を進めることはできません。 相続税の申告期限はあっという間ですので、複雑な事案になりそうな場合は、できるだけ早く法律家に相談することをお勧めします。

弁護士好川久治

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