40年前に亡くなった祖父の土地が収用の対象に!
Q.昨年父が亡くなり遺産分割の手続も終わりました。ところが最近叔父から連絡があり、昭和50年に亡くなった祖父の名義の土地が残っていたらしく、その土地が県道敷設の収用対象地になっているので、売却のために判を押してほしいとのことでした。
祖母は健在で、父には兄弟が父を含めて3人、父の相続人は母と私、妹の三人です。土地収用の補償金をもらえるそうですが、私たち家族には、どのくらいの配分があるのでしょうか。
A.相続開始の時期によって法定相続分が変わることがある!
祖父の土地が遺産分割協議の対象から漏れてしまい忘れ去られていたようです。実務では稀に見かけることで、何十年も放置されているうちに次々と相続が始まり、気づけば何十人も利害関係者がいて簡単に処分できなくなっているということがあります。
さて、本件では、祖父が亡くなったのが昭和50年ですので、現在とは相続人の法定相続分が異なります。昭和55年12月31日以前に始まった相続では、妻と子が相続人の場合の法定相続分は、妻が3分の1、子が3分の2です。
したがって、本件では、祖母が3分の1を、父を含む三人の子がそれぞれ9分の2ずつ相続していることになります。
その後、父が亡くなっていますので、父が相続した9分の2は、母とあなた、あなたの妹の3人で相続したことになります。
現在の法律では、妻と子が相続人の場合の妻の法定相続分は2分の1、子の相続分は2分の1ですので、本件の場合は、祖父から父が相続した9分の2の土地の持分を、母が9分の1、あなたと妹がそれぞれ18分の1ずつ相続したことになります。
したがって、補償金は、母が9分の1、あなたと妹さんがそれぞれ18分の1ずつ取得すればよいことになります。
ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
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