Q&A

婚約破棄による慰謝料等の請求

Q.私には、2年間同棲している彼がいます。最初は単なる交際のつもりでしたが、彼との間に子供ができたのを機に彼と結婚の約束をしました。友人にも結婚を報告し、両親にも挨拶を済ませました。ところが、彼の両親が私との結婚に反対です。そんなとき彼が転勤となりました。私は彼についていくつもりで勤めている会社を辞め、引越しの準備をしていると、彼から突然、「やっぱり親が反対してまで結婚できない」と別れを告げられました。私は、彼に対して何か請求できることはあるでしょうか。

 

A.お二人の間には、2年間の同棲関係があり妊娠もされていますので、結婚を約束した頃には内縁関係が成立していたと評価できる余地があります。内縁関係は婚姻届を出していないだけで対内的にも対外的にも夫婦としての実態が認められる関係ですので、相続以外の点では、ほぼ夫婦と同様の保護を与えられます。したがって、彼が正当な理由もなく内縁関係を破棄したと認められれば、あなたが被った損害の賠償を請求することができます。

 

 また、たとえ内縁関係が認められなくとも、お書きの事情では将来の結婚を誠心誠意約束した事情が認められますので、婚約の成立を認めてもよいと思います。

 婚約は将来の結婚を約束する男女間の合意ですから、合意をした当事者は、結婚に向けて誠実に交際を続け、結婚の実現に努力する義務があります。そのため、一方が正当な理由なく誠実義務に反し、そのため婚約を解消せざるをえなくなった場合には、その原因を作った当事者は他方に対して損害賠償義務を負うことになります。

 

 あなたのケースは、当人同士は結婚の意思が固くても、親が反対するので彼が結婚を諦めたということですから、あなたにとっては到底納得できないことでしょう。社会通念上も親が反対するので婚約を解消したというのは通用しませんので、彼の婚約破棄には正当な理由がなく、彼はあなたからの損害賠償請求に応じなければなりません。

 

 問題は損害ですが、損害には、精神的な損害(慰謝料)と、財産的損害があります。婚約破棄の場合の精神的損害は、だいた100万円前後です。財産的損害には、新居の権利金や転居費用、結婚式のキャンセル料金などです。
 このほか、あなたの場合は結婚を前提に会社を退職していますので、退職に伴い失われた収入相当の損害を請求することができます。どのくらいの金額を請求できるかは、婚約しなければ勤務を続けていたであろう可能性をもとに事案に応じて判断していきます。だいたい1年分の収入を目安に考えておけばよいと思います。

 

 なお、損害ではありませんが、もし彼からあなたに結納金が交付されているなら、交付者の責任による婚約破棄ですので、結納金は返さなくてもよいという判断もありえます。

 

 ところで、お子さんを妊娠されているとのことですので、出産後のことが気になります。出産後は、彼に認知を求め、認知後にお子さんのために養育費を請求していくことが可能です。彼が応じない場合、家庭裁判所に強制認知の調停を申し立て、それでも応じない場合は認知の訴え(強制認知)を起こして判決を得れば法律上認知があったとみなされます。

 

 このほか、結婚準備のための家財道具の処理など実務的に難しい問題が沢山ありますので、実際に問題になったときは弁護士に相談されるのがよろしいかと思います。

 

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