住宅ローンは婚姻費用から控除できる?
Q.妻とは結婚して10年になります。子供は2人でいずれも小学生です。妻とは性格が合わず別居しています。妻と子供らは私名義のマンションに住んでおり、ローンは私が支払っています。妻から生活費を要求されていますが、私が支払っているマンションのローンは差し引けるのでしょうか。
A.夫婦は互いに経済力に応じて生活費を負担しなければならない
夫婦は互いに協力し、助け合うことが義務づけられていますので、その経済力に応じて家計を支えていく義務があります。この義務は夫婦仲が悪くなっても離婚するまで続きます。したがって、より収入が高い一方からそうでない他方に対し、毎月収入に応じて婚姻費用(生活費)を支払わなければなりません。
この「婚姻費用」は、双方の収入の多い少ない、監護する子の数、年齢によって金額がおおよそ決まります。
毎月の住宅ローンの全額を引くことはできない
ところで、婚姻費用には住居費が含まれていますので、夫がローンを支払っているマンションに妻と子が住み、夫が外に出て別居しているケースでは、夫は自分の住居費とは別に住宅ローンを支払い、さらに妻子の婚姻費用まで支払うと生活を圧迫しかねません。
そこで、妻子が住む自宅のローンを婚姻費用から控除できないかが問題となります。
しかし、ローン全額を控除することは認められておらず、通常は月々の支払額の3分の1程度、婚姻費用算定の前提となる一般的な住居費相当額程度を婚姻費用から控除できるにすぎません。
住宅は、ローンを完済すれば夫の財産になりますので、資産形成に貢献する部分は夫が負担すべきだという考え方に基づいています。
ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
℡03-3501-8822|9:30~18:00
東京都港区虎ノ門1丁目4番5号 文芸ビル8階