実際の解決事例

障害のある子の監護環境に問題があった離婚事件で、母に親権が認められた例

●相談内容●
 別居5年以上で小学生の子が一人いる夫婦の離婚問題。夫婦関係は破綻しているが離婚後の親権をめぐって協議が成立せず相談。子は母親が実家で暮らしながら監護しているが、実家が母親と子の監護に協力的でなく、子に障害が疑われて小学校への通学状況も芳しくない。母親なりの考えをもって子を監護しているが周りの理解を得られず孤立気味。父親と子との面会交流も中断している。

●解決事例●
 調停、裁判で親権と財産分与を争った。裁判所が調査官調査を命じたが、母親が実家の協力を充分に得られていないことや、障害をかかえた子の養育の難しさからくる母親なりの子の監護のやり方を周りに理解されず、調査官調査の結果は母親にとって不利な内容となってしまった。裁判では、子の障害と監護の難しさへの裁判所の理解を深める努力をし、学校への通学状況の改善、父親との面会交流の再開、父親と子、母親と子との関係性などを証拠をもって主張立証し、判決では、親権は依頼者である母親が取得することとされ、財産分与も請求どおり認められた。

●ポイント●
 親権については子の福祉を基本に考え、父母のいずれの下で監護養育されることが子の幸せにつながるかを判断して決めることになります。そのため、現在の監護状況のもとで子が問題なく生活できていると判断されると、監護親がそのまま親権者となるケースが多いです。しかし、本ケースのように、監護親の監護状況に問題があると指摘されると、非監護親に親権が認められるケースもあります。実務的には珍しいケースですが、裁判所が親権者とすることにマイナスと考えている点を改善し、証拠をもって主張立証していくことで、本来認められるべき親権が認められたという事案でした。最近では、面会交流の実績が親権の判断に大きく影響していることが指摘されています。先入観にとらわれず、裁判所の考えを汲み取り、適切に訴訟進行をはかったことが勝訴につながったと考えています。

弁護士好川久治

個人の方は
30

土日夜間はもちろん当日での
予約相談も可能です。
どんなお悩みも気軽にご相談ください。