「レバ刺し」で逮捕?
牛の生レバーを提供した業者が逮捕され、無期限の営業禁止に!
京都の祇園の焼き肉店で、客に牛の生レバーを提供した経営者が食品衛生法違反の疑いで逮捕され、その後、京都市が業者を無期限の営業禁止処分としたニュースがインターネットに出ていました。
食品衛生法は、国民全体の公衆衛生の確保や、国民の健康の保持を目的とした法律です。
平成23年に起きたユッケの集団食中毒事件を受け、平成24年7月から、牛レバーを生食用として販売・提供することが禁止されています。
しかし、生レバーに対する客の要望も強く、違法と知りながら生レバーを提供する店舗が未だ存在しているようです。客からの要望があるからとか、かつては普通に提供されていた食材だから大丈夫だろう、と安易な気持ちで法律に違反する業者がいることは容易に想像されます。
生レバーは結構危険かも
しかし、生レバーには、次のようなリスクがあるそうです。
(1)牛の肝臓の内部から腸管出血性大腸菌(O157)が検出された
(2)生で食べると、十分に衛生管理を行った新鮮なものでも、食中毒が発生するおそれがある
(3)牛の約1割が保菌し、現段階では保菌の有無の有効な確認方法がない
(4)消毒液による洗浄方法等の有効な予防対策がない
(5)腸管出血性大腸菌は、ほんのわずかな菌で脳症など重篤な疾患を発症し、発症者の死亡率も低くない
(6)人から人への二次感染の危険性もある
営業禁止処分の影響は大きい
客が要望しても、必ずしも生レバーの危険性を十分に理解しているとは限りません。「自己責任」だからと言っていても、まさか自分が中毒になるとは思わないでしょう。また、店がきちんと調理をして提供するのだから安全だろう、と安易に信じて注文していることも多いと推測されます。
食品衛生法に違反する調理販売の禁止違反には、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金(情状により併科)」、法人には「1億円以下の罰金」という思い刑罰が科せられます。
一旦食中毒を引き起こせば命の危険にさらされますので、厳しい処罰をもって臨むことも止むを得ません。今回の事件では、店側が積極的に「生レバーありますよ」と客側に持ち掛けていたそうです。また、店全体として組織的に違法営業を行っていたことから重大事故の発生を予防するために警察は逮捕に踏み切り、京都市も無期限の営業禁止処分にしたと思われます。
ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
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