スキー場は危険と隣り合わせ!
スキーシーズンが到来!
ここ数年、冬になればスキーに出かけます。ゴンドラで山の頂上に登ったときに見える雪に覆われた雄大な山々の景色は最高です。気分も爽快で、一気に山を滑り降りると何とも言えない満足感を得られます。
ところが、気を許してしまうと、スキー板は遥か彼方へ…。そのとき思うのは、自分一人でよかった、人に怪我をさせなくてよかった、という反省の気持ちです。昨年の暮れには、元F1ドライバーのミハエル・シューマッハがゲレンデで転倒して頭部を強打し、意識不明の重体になった事故があり、他人事ではないと感じます。
遊びやスポーツとはいえ怪我をさせれば責任が発生する!
スキーシーズンが到来すると、スキー場での事故の相談を受けることがあります。スキーやスノボーは娯楽やスポーツですから、お互い危険を承知で楽しんでいるのだから怪我をしてもお互い様だと軽く考えている人もいると思います。
しかし、簡単な事故ならともかく、骨折や失明、脳挫傷で意識不明、死亡などの重大事故になれば、そうも言っていられません。
先例でも、スポーツだからという理由で免責を認めるケースは殆どなく、「スキー場において上方から滑降する者は、前方を注視し、下方を滑降している者の動静に注意して、その者との接触ないし衝突を回避することができるように速度及び進路を選択して滑走すべき注意義務を負う」として、怪我をさせた加害者に損害賠償責任を認めています。
打撲や足首捻挫程度の軽傷なら10万~20万円程度で済みますが、骨折でもさせれば入通院の治療費、通院費、休業損害、慰謝料などで簡単に100万円を超えます。また、しびれや痛みなどの簡単な後遺障害が残っただけで300~400万円、手足に機能障害が残れば1000万円を超えてしまいます。さらに、遷延性意識障害や死亡事故に至れば1億円を超えることもありえます。
また、加害者は、重過失致死傷罪として立件され、罰則を受けることもあります。
予想外の事故に対しても適切な対応を!
事故を起こしてしまった場合は、被害者の安全な場所への退避と救護、スキー場管理者への連絡、救急車の要請、警察への連絡など必要な措置をとり、被害者には謝罪と定期的な見舞いを尽くしていくべきです。
また、補償の問題にも対応できるよう個人賠償責任保険への加入も忘れないようにしたいものです。
ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
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