実際の解決事例

購入物件に心理的瑕疵があったケースで、仲介業者と示談が成立した事例

●相談内容●

マイホームの夢が叶い、ローンを組んで中古の不動産を購入したところ、近所のうわさで、数年前に物件内で親族間のもめ事から放火事件が発生し警察沙汰になっていたことが判明した。すぐに仲介業者に真偽を確認したが、事実を把握していなかった。売主が不利益な事情を隠して売り抜けた模様。相談者は、売主が引っ越しをしても、また放火されるかもしれないという不安にかられた。最初は本人で交渉していたが、全く進展がないため弁護士に相談。

●解決事例●

最寄の警察署への問合せ、消防記録の取り寄せなどにより放火の事実を把握。これをもとに売主、仲介業者と交渉開始。売主は交渉に応じなかったが、仲介業者は話し合いに応じる姿勢を示した。相談者は、契約を解除して代金の返還を求めることも考えたが、現実的な解決策として、仲介業者に対して事故物件であることによる物件の減価分を損害として請求する方針で臨んだ。途中、都道府県の不動産業者の監督機関にも相談した。その結果、100%ではないものの、現状では最大限の損害の回復を達成できた。売主からも、既に親族間の紛争の再発はないとの確認も得て、不安はある程度解消された。

●ポイント●

不動産は一生に一度の買い物です。念願のマイホームを購入したのに物件に問題があると、多額の住宅ローンを抱えながら一生の悩みと付き合わなければなりません。一層のこと契約を解除して元通りにしたい、と思うのは人情です。しかし、契約解除が100%認められるとは限りませんし、解除が認められても既に売主のもとにはお金がない、ということも考えられます。そのため、契約を維持しながら問題を解消していく方向で解決を模索することが必要になることがあります。本件は、幸い仲介業者が買主の置かれた状況に配慮し、誠実に交渉に応じたこと、仲介業者側に調査義務、説明義務違反が疑われることから行政の側面支援も期待できたことなども手伝って、仲介業者との間で和解ができました。多額の費用と時間、ストレスに悩まされることなく早期解決できたことは相談者にとって最大の収穫であったと思われます。

弁護士好川久治

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